誰にでも将来確実に訪れるのが、相続・贈与の問題。親族間で争いが起こらないようにするためには、相続税についての正しい知識が必要だが、そもそも相続とは何なのか。税理士の柴原一氏が解説する。
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相続とは、死亡した人(被相続人)の財産を、一定範囲の親族(相続人)に受け継がせること。相続税は、受け継がれる財産にかかる税のことです。
相続税が課税される財産には、土地や建物などの不動産、現金や預貯金、株式などの有価証券といった金融資産、貴金属や書画などの動産があります。死亡保険金や死亡退職金も「みなし相続財産」として課税対象となります。
相続人になれる人(法定相続人)は法律で定められており、配偶者(夫または妻)、子、両親、兄弟姉妹が属します。相続人には順位があり、まず配偶者は無条件で相続人となります。配偶者を除くと、子が第1順位となり、その子が被相続人よりも先に死亡している場合は、死亡した子の子、被相続人から見れば孫がその子に代わる相続人となるのです(代襲相続人)。
そして、子や孫の第1順位者がいない場合、第2順位者の被相続人の父母(父母がいない場合は祖父母)が相続人となり、第2順位者もいなければ兄弟姉妹が第3順位者となります。第1順位者がいれば第2順位者以下には相続権はありません。
また、財産の相続される割合も定められています。配偶者と子がいる場合は、2分の1ずつ。子が複数いれば、2分の1を人数に応じて均等に分けることになります。子がいない場合は、配偶者の割合が多くなります。
※『サラリーマンのための安心税金読本』(小学館)より