年を重ねていくと、女性の悩みは尽きない。しかし、どう年を重ね、有意義に生きるかが、豊かな老後につながる。そこで、女優として活躍する夏樹陽子に、いざというときにひとりで生きていくメンタリティーを聞いた。
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2011年は大震災を経験して、いつ何が起こるかわからないなあと感じているかたは多いと思います。だからこそ、悔いがないようにいまを全力で楽しんで生きることが大切だと思います。 以前、三國連太郎さんが私に色紙を書いてくださったんです。「たった一人しかいない自分を、たった一度の人生をほんとうに生かさなかったら生きている甲斐がない」って。
毎日それを読んで、自分を生かすってどういうことかなって考えながら生きています。いずれ年を取っていくわけですが、最後の最後まで自分を生かしきりたいなと思うんです。車椅子の日が来るかもしれないけど、両手が動くなら両手でできる何かをしたいと思うし、手が動かなくなっても、口が動くなら話すことでなにかをしたいと思う。1回きりの人生、諦めてしまったらもったいないですもんね。
それから、私自身はひとりだということ。世の中を見渡すと、ご主人がいて、かわいいお子さんもいて羨ましいような女性が多いけど、その人たちだって、いつひとりになるかわからないでしょう。いざというときにひとりできちんと生きていく強さをもつことも大切かな、と思います。
※女性セブン2012年1月5・12日号