夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、ご主人(48歳)が洗剤メーカー勤務の奥様(49歳)。暮れはいつも1人で大掃除なんだそうです。
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主人は手伝いませんし、邪魔なので、毎年「散歩にでも行ってきて」と追い出します。でも今回は「僕の書斎だけは、自分でやるから」だって。あやしい!
「いいから出ていって!」と無理矢理外に追い出し、まずは問題の書斎から。下手ですよねぇ、隠すのが。本棚の国語辞典の間から出てきましたわよ、ヘソクリの福沢諭吉様20枚が! これで念願の韓国旅行に行けて、憧れのグンちゃんにも会えるかも!
2時間後、主人が戻ってきて、脱莵のごとく書斎に飛び込むと、「な、ない! 見つけられたか……」とうめき声が。
「有馬記念で勝ったんだ。隠すつもりじゃなく、保管していただけだ。キミにも何か買ってプレゼントするつもりだったんだよ」
「何の話?」
「20万だよ、20万!」
「知らないわよ」
「そ、そんな! 頼む、半分でいいから返してくれ」
「そういえば、国語辞典の中にお金が入っていたわね、思い出したわ」
「そ、そうだろ?」
「ええ、確かに入っていたわ、2万円」
「2、2万円?」
「そうよ。じゃあ返すね、半分の1万円を」
「お、鬼!」
私って太っ腹ね。「1万円入っていたわ」といって5000円を渡せばよかったかも。大反省!
※週刊ポスト2012年1月13・20日号