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孫正義氏 同郷のブリヂストンを抜ける根拠のない自信あった

1月12日に発売される『あんぽん 孫正義伝』(小学館刊)。著者の佐野眞一氏は、同書のなかで、孫正義氏にインタビューし、目標とした事業家について尋ねている。(文中敬称略)

* * *
──孫さんにとって、郷土の英雄の石橋正二郎(ブリヂストン創業者)は真っ先に目標とした事業家だったんじゃないですか。

「石橋家は、鳥栖や久留米に生まれた人間にとって、もう完全に雲の上の存在でしたね。子どもの頃の目標としては、鳥栖の親父が建てた家の近くに本社があるサロンパスの久光製薬でした。でも、僕は子どもの頃から『ブリヂストンもサロンパスも確かに巨大だが、必ず抜いてみせる』と、親父に言っていたんです」

──確かにサロンパスはもう抜いていますね。でも、そんな自信は、というより自信過剰は、いったいどこから生まれたんですか。

「親父が、際限のないレベルで僕を褒めたからでしょうね。『お前は俺より頭がいい』って。僕は親父に怒られたことが一度もないんです。

そういう環境で育ったせいか、自分が一生かけて本当に一生懸命やれば、相手が久光製薬であれブリヂストンであれ、そしてトヨタであれ松下であれ、必ず抜けるという、まったく根拠のない自信だけはあったんです」

(『あんぽん 孫正義伝』)

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