1月12日に発売される『あんぽん 孫正義伝』(小学館刊)。著者の佐野眞一氏は、同書のなかで、孫正義氏にインタビューし、ツイッターについて話している。孫氏といえば、「やりましょう」とユーザーからの問い合わせにツイッターで答え、それを基に何らかの改善を次々と行ったことで知られている。ここでは、孫氏が韓国メディアから取材を受けた時のやりとりを同書から再現してみよう。(文中敬称略)
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──韓国の若者だけでなく、日本の若者も将来に対する悩みが多い。彼らが意味を見出すために何をすべきと考えているか。
「若者は無限の夢に対する可能性を持っている。それは自分のためでもあるが、多くの人を念頭に置けば社会を動かすこともできる。そうすれば、本人の幸せにももっと役立つだろう。若者は、家や車ではなく、より多くの人がどのようにすればもっと幸せになれるのかで悩んだらいい」
──韓国では経営者がSNSをするようになると、社員が緊張する。孫社長がツイッターを使う中で生じた幸福感は何か。またそれによってソフトバンクの社員は緊張しないのか。
「初めソフトバンクの新三〇年ビジョンさえ提示できれば、私のツイッターは閉めるつもりだった。ところがやっているうちに仕事上で非常に役立つということに気がついた。いまはただ面白くてやっている。多くの人びととつながることができるし、話し合う過程自体が楽しいからだ。指摘されたように、社員は私が仕事のためにツイッターをすると、とても緊張するようだ」
(『あんぽん 孫正義伝』より抜粋)