現在、日本の財政は、税金で約4割、国債などの公債金収入約5割でまかなわれている。平成23年度末の公債残高、いわば国の借金の合計は、約667兆円(見込み)にも上り、この金額は、一般会計税収の約16年分にも相当する。経済ジャーナリストの荻原博子さんはこう話す。
「ただし、国債の95%をもっているのは日本人。つまり、この借金はお父さんがお母さんにお金を借りているようなものなのです。欧米のように、他国に国債を買われている場合は、厳しい取り立てに遭う可能性はありますが、日本の場合は、身内同士の借金ですから『待った』が効くのです。
さらに、日本は他国への貸し付け(対外純資産残高)が、約251兆5000億円もあります(平成22年度末・財務省発表)。つまり、海外から見た日本は、身内からの借金はあっても、他人にお金を貸せるほど、リッチな国ということです」
昨年10月26日には、1ドル=75.71円という戦後最高値を記録。12月のユーロの急落で、1ユーロ=100円前後と、依然、円高は加速中。
「欧米の経済は大動乱。中国バブルもいつはじけるか不透明。そんななか、日本経済への信頼度が高いからこそ、円が買われているのです。日本円を現金でしっかりもつことは、世界の経済状況から見ても、正しい選択といえます」(荻原さん)
東日本大震災後、10、11月は貿易赤字となったものの、日本経済は、懸念されていたほどの大ダメージは受けていない。また、この冬のボーナス支給額は、大企業では前年比4.77%アップ(2011年日本経済団体連合会発表)。この数字も、「日本経済はまだ安心」であることを示している。
※女性セブン2012年1月19・26日号