大増税の嵐が家計に襲い掛かっている。東日本大震災の復興財源に充てる「復興増税」で所得税の増税期間は2013年~37年の25年間で約7.5兆円、個人住民税は2014年~2024年の10年間で約6000億円の増税となるほか、消費税の増税も議論の俎上に上り始めた。このような家計「厳冬の時代」において、どのように生活を防衛していけばよいのか、経済ジャーナリストの荻原博子氏が解説する。
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大増税時代に家計を防衛する方法は大きくわけて2つしかない。稼ぐか、節約するか、である。
どちらにも共通するのは、「現金をしっかり貯めること」。1円でも多く現金を持つために、今すぐ見直したい家計やライフスタイルのポイントをみていこう。
まず、節約できる額が格段に大きいのが、住宅ローンの繰上げ返済だ。たとえば、金利3%の35年ローンを利用して3000万円を借り、すでに5年分を返済しているとしよう。この場合、100万円を返済期間短縮型で繰り上げ返済すると、残りの返済期間が28年4か月に短縮され、将来払うはずだった139万円の利息を払わなくて済むのだ。
たとえるなら、100万円払った株が239万円で売れたのと同じ利益を得ることになる。いまどき、100万円で買って必ず200万円以上に値上がりするという株はない。
このように、現在、最も安全で簡単、かつ確実にお金を増やす方法は「借金を返す」ことだろう。住宅ローンに限らず、身の回りの借金を返済、縮小していくのが、現金を貯めるためのファースト・ステップだ。金利15%も支払うキャッシングの残高がある人も早く返済し、清算しておこう。
※マネーポスト2012年新春号