国内

福岡政行氏「大阪維新の会+みんなの党+自民で連立政権」

結局公約だった「政治主導」を達成できなかった民主党。2012年、解散総選挙が起きた場合はどうなるのか? 白鴎大学の福岡政行教授がシミュレートする。

* * *
注目は、大阪維新の会とみんなの党連合と石原保守新党、さらに自民党をつなぐことができるキーパーソンが存在することである。石原慎太郎・東京都知事の息子である石原伸晃・自民党幹事長は大阪ダブル選前の2011年9月24日に大阪市内で橋下氏と極秘会談を行なったとされている。伸晃氏は会見でその事実を否定したが、橋下氏と通じていることは間違いないだろう。

私は、これは今後への布石ではないかと見ている。慎太郎氏も大阪市長選の最終日にわざわざ大阪に乗り込み、選挙カーの上で橋下氏と握手するパフォーマンスを見せている。

同氏は最近、「やり残したことがある。日本を変えなければ……」と周辺に国政への意欲を漏らしていると聞く。大阪での応援は総選挙で橋下氏の力を借りるためのバーターだったのではないかと私は考えている。件の会談では、伸晃氏と橋下氏がそのことを話し合ったのではないか。

加えて「小沢・亀井新党」の可能性も出て来るのだが、このような動きの中で選挙に突入すれば、永田町の地図は大きく塗り替えられるだろう。大阪維新の会とみんなの党連合に自民党が加わった連立政権が実現することになるのではないだろうか。

私は統一地方選と大阪ダブル選を取材した結果、橋下氏の勢いは一過性のものではなく、本物であると確信した。実際、各政党・政治家は、彼を敵に回すのではなく、味方に引き入れるために、秋波を送っている。

ここ20年以上にわたって、日本の政界は、「親小沢」か「反小沢」かなど、小沢氏を軸に動いてきた側面がある。だが、次の総選挙からは政界は橋下氏を軸に動き出すのではないか。

橋下氏自身が衆院選に出馬して国会議員とはならなくとも、一首長の立場で既存政党の大物たちと渡り合い、国政を左右しうる。それはつまり、小沢氏から橋下氏へ、政界 キングメーカーが入れ替わることを意味する。その意味でも、まだ大阪維新の会の「革命」の余震は続いていると言える。

橋下氏自身が市長として「大阪都」への道筋を付けた後、「次の次」の総選挙に出馬し、当選すれば「橋下政権」が誕生する可能性さえある。しかし、既存政党を利用し、国政に影響力を持とうとする橋下氏の作戦がすんなり進むかは、予断を許さない。

※SAPIO2012年1月11・18日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
米国からエルサルバドルに送還されたベネズエラのギャング組織のメンバーら(AFP PHOTO / EL SALVADOR'S PRESIDENCY PRESS OFFICE)
“世界最恐の刑務所”に移送された“後ろ手拘束・丸刈り”の凶悪ギャング「刑務所を制圧しプールやナイトクラブを設営」した荒くれ者たち《エルサルバドル大統領の強権的な治安対策》
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
中居正広氏とフジテレビ社屋(時事通信フォト)
【被害女性Aさん フジ問題で独占告白】「理不尽な思いをしている方がたくさん…」彼女はいま何を思い、何を求めるのか
週刊ポスト
食道がんであることを公表した石橋貴明、元妻の鈴木保奈美は沈黙を貫いている(左/Instagramより)
《食道がん公表のとんねるず・石橋貴明(63)》社長と所属女優として沈黙貫く元妻の鈴木保奈美との距離感、長女との確執乗り越え…「初孫抱いて見せていた笑顔」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン