ライフ

リフォームの解約 クーリングオフ終了後でも可能なケースも

竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は「わからないままさせられた、リフォーム契約を解除したい」と以下のような質問が寄せられた。

【質問】
訪問業者が、「地震があったので、ちょっと点検させてください」と、一人暮らしの母のマンションに来ました。台所や洗面所の水まわりを見て、「このままではすぐに水漏れして下の階に迷惑をかけるから」と、リフォームの契約をさせられました。この契約を解除したいのですが、いい方法はありませんか。

【回答】
住まいを訪ねて来て水まわりの修繕工事などを勧誘し、消費者から申し込みを受けて締結する役務提供契約は、特定商取引法の定める訪問販売にあたります。

訪問販売では、業者は申し込みを受けた際にその場で役務の内容や代金、作業時期、代金支払い時期、その他この法律の定める事項(法定事項)を記載した書面(申込書面)を顧客に渡すことが義務付けられており、さらに契約したときは遅滞なく、同じ法定事項が記載された書面(契約書面)を顧客に渡すことになっています。ただし、申し込み時に契約する場合は、契約書面だけを交付すればよいことになっています。

法定事項の中には、クーリングオフができることの明記も含まれています。顧客は契約書面をもらった日か、それ以前に申込書面をもらっていればその日から起算して8日以内に申し込みの撤回を文書で発送することで契約を取り消せます。クーリングオフできれば契約は白紙になりますから、代金の支払い義務はなくなります。仮に修繕が済んでいても同様です。

もし、これらの書面の交付がなかったり、交付した書面にクーリングオフのことや法定事項の記載がなければ法定書面を交付したことにならないので、いつでも申し込みは撤回できます。

また、クーリングオフ期間の残り日数が少なくても、発送した時点で撤回の効力が生じますから、期間内に発送したことが証拠に残るように、内容証明郵便で申し込み撤回を通知すればよいでしょう。

クーリングオフ期間が経過している場合でも、例えば事実と違うことをいって工事を勧めたような場合には、業者の不実告知を理由として、契約を取り消せる方法もあります。修繕工事に納得できない場合には、消費者センターなどに相談してください。

※週刊ポスト2012年1月13・20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン