国内

横浜は今後「ベニスのような街づくり可能」と大前研一氏指摘

英エコノミスト誌の調査部門が世界140都市を対象にした「世界で最も住みやすい都市」ランキングでは、1位のメルボルンや3位のバンクーバーなどオーストラリアとカナダの都市がベスト10の常連になっている。大前研一氏が解説する。

* * *
日本の都市は上位に入っていないが、開発余地のある水際が存在するという点で、将来匹敵する可能性を秘めるのは東京と横浜だろう。

ただし、東京は、佃、勝どき、晴海、豊洲などを住宅、商業地区、オフィス街として一体的に再開発すればよいのだが、現在のように虫食い状態でタワーマンションばかりが建ち並ぶようでは、どうにもならない。

横浜のみなとみらい地区は、今のところ丸の内のオフィス街が移転してきたような殺風景で潤いのない街になっている。水際を柵で囲ってしまったので、親水性が台無しだ。赤レンガ倉庫あたりまで歩いていくコースは人気があるが、人々が集うところ、とまではいっていない。

とはいえ、横浜は今後のやり方次第では、以前から私が提案している「ベニスのような街づくり」ができるかもしれない。すでに横浜駅東口~みなとみらい~赤レンガパーク~象の鼻パーク~新山下を結ぶ新交通機関「水上タクシー」がスタートするなど計画が動き始めたので、今後の林文子市長の手腕に期待したい。

いうまでもなく日本は治安の良さでは、世界で圧倒的に高い評価を得ている。問題は街並みの景観なのだ。誰もが住みたくなるような景観の都市はどこにもない。

シドニーは港湾再開発でランドマークとなるオペラハウスを建設し、ダーリングハーバーという水際の副都心も造っている。臨海副都心が無機質な“丸の内”になってしまっているのとは対照的だ。逆にいうと、水際をうまく人の集まる場所にし、景観を重視して整備すれば、世界が認める住みやすい都市にすることができるのだ。

※週刊ポスト2012年1月13・20日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
日米通算200勝を前に渋みが続く田中
15歳の田中将大を“投手に抜擢”した恩師が語る「指先の感覚が良かった」の原点 大願の200勝に向けて「スタイルチェンジが必要」のエールを贈る
週刊ポスト
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
裏アカ騒動、その代償は大きかった
《まじで早く辞めてくんねえかな》モー娘。北川莉央“裏アカ流出騒動” 同じ騒ぎ起こした先輩アイドルと同じ「ソロの道」歩むか
NEWSポストセブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
【「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手】積水ハウス55億円詐欺事件・受刑者との往復書簡 “主犯格”は「騙された」と主張、食い違う当事者たちの言い分
週刊ポスト
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
【ギリギリセーフの可能性も】不倫報道・永野芽郁と田中圭のCMクライアント企業は横並びで「様子見」…NTTコミュニケーションズほか寄せられた「見解」
NEWSポストセブン
ミニから美脚が飛び出す深田恭子
《半同棲ライフの実態》深田恭子の新恋人“茶髪にピアスのテレビマン”が匂わせから一転、SNSを削除した理由「彼なりに覚悟を示した」
NEWSポストセブン
保育士の行仕由佳さん(35)とプロボクサーだった佐藤蓮真容疑者(21)の関係とはいったい──(本人SNSより)
《宮城・保育士死体遺棄》「亡くなった女性とは“親しい仲”だと聞いていました」行仕由佳さんとプロボクサー・佐藤蓮真容疑者(21)の“意外な関係性”
NEWSポストセブン
過去のセクハラが報じられた石橋貴明
とんねるず・石橋貴明 恒例の人気特番が消滅危機のなか「がん闘病」を支える女性
週刊ポスト