映画『マルサの女』で知られるようになった「国税局査察部」を意味する「マルサ」はあまりに有名だが、それ以外にも、国税庁が使う隠語にはさまざまなものがある。そんなマル秘用語の中でも、査察、調査関連の用語を一挙解説する。
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【マルチン】陳情の意味で、政治家からの介入を指す。
【特殊関係人】調査対象者の愛人。
【ブツ】読み押収した資料の分析。
【天ぷら】定年間際にどんどん昇進していく一般職員。
【ベテラン】敬意を込めた一般職員の特進組の呼び方。
【増差(ぞうさ)】申告漏れの所得。
【ケシ】消費税。かつては間接税の頭の文字から「ハザマ」とも呼ばれた。
【テンゴ】脱税を告発する際の基準。東京国税局の場合、申告漏れ所得1.5億円以上が告発する際の目安。地方の場合はこれより低い。
【反面】調査対象の取引先。取引先など調査対象の関連先も脱税していた場合、「派生」という。
【告前(こくぜん)】告発前合同調査。国税局が脱税を地検に告発し、地検が捜査し立件するという流れが通常だが、証拠隠滅の可能性が高い場合は、告発前に国税局と地検が合同で調査を行なう。
【外観】査察対象の店を張り込むなどして外から内偵調査すること。
【内観】査察対象の店に客として入って内偵調査すること。
【横目】調査調査に入った時、調査対象の書類以外に、さりげなく周囲の帳簿や伝票類を盗み見ること。
※『サラリーマンのための安心税金読本』(小学館)より