経済アナリストの森永卓郎氏は、復興需要が衰えたタイミングで増税が実施されるようなことがあれば、「大恐慌突入も現実味を増す」と予測する。森永氏が恐慌に備えた資産防衛術を解説する。
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ぜひ実践しておきたいのは、恐慌が来るまでにお金を貯めておくことです。恐慌時に最も有利なのはたくさんキャッシュ(タネ銭)を持っている人です。
そうはいっても、現在の汲々とした生活の中で、キャッシュを貯め込むなど至難の業と考える人が多いと思いますが、それこそ根性次第(笑い)。お金を貯めることは可能です。節制をしているつもりでも、外でコーヒーを飲んだり、どこかで無駄な買い物や贅沢をしていませんか。常にそう自問をして、“ハイパー節約”を徹底して行なえば、意外にお金は貯まるものです。
私自身、週に2日は財布を開かない日を設けて、その日は1円も使わない生活を実践しています。決意の問題で、やってみると何とかなるものです。今、お笑い芸人の間で広まっている節約術は、タバコは絶対買わず、周りの人からもらうというもの。実践している人は、凄い節約になるといっていますよ(笑い)。
現在、世界の中で、一番魅力がある市場は日本です。大幅な金融緩和となれば、日本の資産価格はジャンプアップし、世界で一番儲かる可能性が高い。それをわかっているから、世界の投機資金などが、円高を仕掛けて円高に誘導し、デフレも継続させて、日本の資産価値を引き下げることに奔走しているわけです。そんな連中だけに日本の富を奪われないためにも、今からの準備が大切なのです。
※マネーポスト2012年新春号