結婚や仕事、体の変調など悩みを抱えた30代以上の女性たちに生き方を指南する内容の著書『女の悩みはマトリョーシカ』(青春出版社)を上梓した女優の室井滋さん。
30代から現在まで、室井さんは映画監督の長谷川和彦氏と事実婚を続けている。それ以前にも何人か結婚を考えた恋人もいたが、結婚に踏み切れなかったという。その理由のひとつに室井さんがあげたのは、“室井”という姓へのこだわりだ。
小学校高学年のときに室井さんは、両親の離婚を経験している。父親は、どちらと暮らすかは、自分で選択していいと委ねた。迷った揚げ句に出した結論は、父親とおばあちゃんと一緒に暮らすこと。
その理由について、室井さんはこう語る。
「だって、ここの家を出て学校も変わって、名前が変わるのが想像できなかったし、嫌だった。私は小さいときに、特異な大きな選択をしたんですね。ですからいざ結婚することになって、相手のことは好きなんだけど、この人の名前も含めて、結婚するということにリアリティーがもてなかった。しかも父は私が大学生のときに亡くなって、室井の名を継ぐのは私だけでしたから…」
※女性セブン2012年1月19・26日号