16年以上の逃亡生活に終止符を打ったオウム真理教元幹部の特別手配犯・平田信容疑者(46)。そして同容疑者を17年もの間かくまい、ともに逃亡してきた斎藤明美容疑者(49)。ふたりが出頭した理由は、ともに互いに対する愛だったという――
ふたりの出頭には、日本中が驚いたが、とりわけ元オウム真理教信者には大きな衝撃だった。
「なぜなら、信者は誰かに恋心を抱くことは許されませんから…」
そう話すのは、かつての教団幹部のひとりだ。あらゆる人、物への執着を禁じていたというオウム真理教。そのための修行に『供養の瞑想』というものがある。これは自分のいちばん大切なものを「尊師」に捧げることをイメージして行うという。
「誰かのことを好きになってしまったら、その人を麻原に捧げることを自ずと考えてしまうわけです。私も経験があるのですが、身を引き裂かれるようなつらい思いをすることになるんです。ふたりはそんな状態を乗り越えて恋ができるようになったということ。
突然の出頭に何か思惑があるとか、いまでも教団の洗脳状態にあるとかいろいろいわれていますが、ふたりの言葉は、信仰から脱却したことを意味していると思います。教団の洗脳は専門家でも簡単にとくことはできないんです。それを自分の意志で脱却したわけですからふたりの絆は相当なものだったのでしょうね」(前出・元教団幹部)
※女性セブン2012年2月2日号