国際情報

韓国正月番組のメインは「独島の初日の出」という平和ボケ

北朝鮮では金正恩新体制が始まり、不安定要素が増す中、韓国では相変わらず「敵」とされるのは日本であり、北朝鮮ではないという。韓国の平和ボケを産経新聞ソウル駐在特別記者の黒田勝弘氏が解説する。

* * *
韓国人は正月というと今も旧暦(陰暦)の方で祝う。贈り物をしたり家族が集まったり、雑煮を食べたりお年玉をあげたりなど、風俗としては圧倒的に旧正月(今年は1月23日)だ。休みもこちらの方が3連休になっている。

しかし年の変わり目、つまり新年というと新暦(太陽暦)の方だからややこしい。韓国も産業化・経済発展で国際化が進んだせいだろうか。あるいは会計年度が12月で終わり1月スタートのせいかもしれない。

それでも新年のあいさつ「新年多幸でありますように」は新旧両方でいうから、いささか可笑しい。

ただ回顧や展望が好きなマスコミの新年意識は新暦の方で、今年もにぎやかだった。ところが韓国のNHKともいうべきKBSテレビの元日、午前7時のニュースを見て「いやいや、まいった!」だった。

新年最初のニュースだから、とりあえず「初日の出」で始まった。韓国でも近年、初日の出をおがむ(?)のが流行になっている。元旦には、東海岸の浜辺など観光客でにぎわう。そんな各地の風景が紹介されたのだが、そのメインがなんと「独島での初日の出」だった。

現地から生の映像で「独島警備隊長」を登場させ「あいにく水平線は厚い雲におおわれて日の出が見えません……」だったが、それでも「国民の皆さまの独島に対する愛情と関心に応え、今年も島をしっかり守ることを約束いたします!」と決意表明させていた。

この期に及んでもまだ「独島」とは! 誰から「守る」のだろうか? 当然、日本!

この元日朝イチバンのニュースで北朝鮮が登場したのは経済情勢の展望で、辛うじて「北での金正恩体制のスタートも不確実要素の一つ」と触れていたくらいだった。

韓国では哨戒艦撃沈、延坪島砲撃……そして軍事ガチガチの金正恩・最高司令官の登場にもかかわらず、まだ「独島死守!」などといっているのだ。

今年の元日くらいは「厳寒の雪の休戦ラインで北をにらむ国軍兵士!」とか「波高い冬の海で北の再攻撃に備える西海司令部の海兵隊!」を期待したのだが、平和ボケは相変わらずだ。

※SAPIO2012年2月1・8日号

関連キーワード

トピックス

不倫を報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁との手繋ぎツーショットが話題》田中圭の「酒癖」に心配の声、二日酔いで現場入り…会員制バーで芸能人とディープキス騒動の過去
NEWSポストセブン
父親として愛する家族のために奮闘した大谷翔平(写真/Getty Images)
【出産休暇「わずか2日」のメジャー流計画出産】大谷翔平、育児や産後の生活は“義母頼み”となるジレンマ 長女の足の写真公開に「彼は変わった」と驚きの声
女性セブン
春の園遊会に参加された愛子さま(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会で初着物》愛子さま、母・雅子さまの園遊会デビュー時を思わせる水色の着物姿で可憐な着こなしを披露
NEWSポストセブン
田中圭と15歳年下の永野芽郁が“手つなぎ&お泊まり”報道がSNSで大きな話題に
《不倫報道・2人の距離感》永野芽郁、田中圭は「寝癖がヒドい」…語っていた意味深長な“毎朝のやりとり” 初共演時の親密さに再び注目集まる
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された天皇皇后両陛下(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会ファッション》皇后雅子さま、選択率高めのイエロー系の着物をワントーンで着こなし落ち着いた雰囲気に 
NEWSポストセブン
週刊ポストに初登場した古畑奈和
【インタビュー】朝ドラ女優・古畑奈和が魅せた“大人すぎるグラビア”の舞台裏「きゅうりは生でいっちゃいます」
NEWSポストセブン
現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン