国内

格安航空会社成功のため社員の給料半分で休みを2倍にの提案

今年は日本の国内線に格安航空会社(LCC)が複数参入する。だが、既存の航空会社(レガシーキャリア)が、LCCを設立して生き残りに成功するのは難しいのではないか、と大前研一氏は指摘する。なぜなら、高コスト体質を、どうしても引きずってしまうからだ。以下は、大前氏の解説である。

* * *
まず3 月にANA(全日本空輸)系のピーチ・アビエーションが関西国際空港を拠点として就航し、続いてANAが出資するエアアジア・ジャパンが成田空港を拠点に8 月から国内線、10月から国際線に参入、さらにJAL(日本航空)が出資するジェットスター・ジャパンが年内に成田と関空から国内線参入を予定している。

既存の航空会社とLCCでは、根本的にコスト構造が違う。たとえば、既存の航空会社は旅行代理店に航空券を売ってもらっているので、その手数料が7%かかる。一方、LCCは旅行代理店を使わず、自社サイトでネット直売しているだけだから、7%が要らない。

あるいは、パイロットやCA(客室乗務員)が、機内清掃やカウンターのチェックイン、預かり荷物の整理といった業務もこなしている。そうすることで地上スタッフの数を既存の航空会社より格段に少なくし、人件費を削減しているわけだ。

そもそも人件費の高い日本でLCCが成功するためには、人件費を抑制する画期的な創意工夫が不可欠だ。私が社長なら、社員の給料を半分にして休みを2倍に増やす。そして3か月に1回、自社路線が就航している国で4~5日間のバケーションを認め、現地ではパイロットやCAの宿泊用に安く契約しているホテルに原価で滞在できるようにする。

今の日本では、そういう条件を歓迎する若者が多いと思われるので、有能な人材が集まるはずだ。国籍を問わずに募集したら、もっと優秀な人が来るだろう。

※週刊ポスト2012年1月27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月14日に弁護士を通じて勝田州彦・容疑者の最新の肉声を入手した
《公文教室の前で女児を物色した》岡山・兵庫連続女児刺殺犯「勝田州彦」が犯行当日の手口を詳細に告白【“獄中肉声”を独占入手】
週刊ポスト
宇宙への憧れを持つ大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平が抱く“宇宙への憧れ” 野口聡一さんに「宇宙人っていますか?」と質問、チームメイトと宇宙談義に花を咲かせることも
女性セブン
チョン・ヘイン(左)と坂口健太郎(右)(写真/Getty Images)
【韓国スターの招聘に失敗】チョン・ヘインがTBS大作ドラマへの出演を辞退、企画自体が暗礁に乗り上げる危機 W主演内定の坂口健太郎も困惑
女性セブン
第2次石破内閣でデジタル兼内閣府政務官に就任した岸信千世政務官(時事通信フォト)
《入籍して激怒された》最強の世襲議員・岸信千世氏が「年上のバリキャリ美人妻」と極秘婚で地元後援会が「報告ない」と絶句
NEWSポストセブン
「●」について語った渡邊渚アナ
【大好評エッセイ連載第2回】元フジテレビ渡邊渚アナが明かす「恋も宇宙も一緒だな~と思ったりした出来事」
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さま(時事通信フォト)
百合子さま逝去で“三笠宮家当主”をめぐる議論再燃か 喪主を務める彬子さまと母・信子さまと間には深い溝
女性セブン
氷川きよしが紅白に出場するのは24回目(産経新聞社)
「胸中の先生と常に一緒なのです」氷川きよしが初めて告白した“幼少期のいじめ体験”と“池田大作氏一周忌への思い”
女性セブン
多くのドラマや映画で活躍する俳優の菅田将暉
菅田将暉の七光りやコネではない!「けんと」「新樹」弟2人が快進撃を見せる必然
NEWSポストセブン
阪神西宮駅前の演説もすさまじい人だかりだった(11月4日)
「立花さんのYouTubeでテレビのウソがわかった」「メディアは一切信用しない」兵庫県知事選、斎藤元彦氏の応援団に“1か月密着取材” 見えてきた勝利の背景
週刊ポスト
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
「SUNTORYドリンクスマイルBAR」
《忘年会シーズンにこそ適正飲酒を》サントリーの新たな取り組み 自分に合った “飲み“の楽しさの発見につながる「ドリンク スマイル」
NEWSポストセブン