“2012年度No.1映画”との呼び声も高い鬼才・園子温監督の映画『ヒミズ』。そのヒロインを演じた二階堂ふみ(17)が、演技力もさることながら、その不思議キャラでも注目を集めている。
二階堂は、『ヒミズ』が出品された昨年のヴェネツィア国際映画祭で、主演の染谷将太(19)とともに日本初の最優秀新人俳優賞をW受賞する快挙を成し遂げて一躍“時の人”となった若手女優だ。
「二階堂と染谷は、早くも、年末の日本の映画賞でも主演女優・男優賞や新人賞を総ナメにするといわれています。1月公開の作品は年末の賞レースにはなかなかノミネートされにくいが、その不利な条件を覆すほど評価は高い」(映画関係者)
同作では、ある事件を機に絶望し、狂気へと走る男子中学生・住田を止めるべく奔走する同級生・茶沢を熱演。若手ふたりの情熱溢れる演技の掛け合いに心が揺さぶられるのだが、とりわけ個性的な雰囲気を持ちあわせながらすでに色気も持つ二階堂にはクギづけに。
映画評論家の松原正美さんはこう語る。
「受け身の役の主人公(染谷)に対し、彼を引っ張っていくヒロインの芯の強い部分を見事に表現している。それは、二階堂さんの演技の“強さ”があったから成立したといえます。劇中でも本気で怒りをあらわにし、本気の感情で演じているのが伝わってくる。それは、すば抜けた集中力と、その役柄への抜群の理解力があってこそで、女優として天性のものかもしれません。みている人を惹きつける“強さ”を彼女自身が持っていますね」
もともとは出身地・沖縄のフリーペーパー『沖縄美少女図鑑』で発掘され、ファッション誌『ニコラ』の専属モデルとして活躍後、2007年に女優デビュー。ケータイ音楽ドラマ『キミに歌ったラブソング』(2008年)で初主演し、その後、映画『ガマの油』(2009年)などにも出演している。
女優として着実にステップアップしているといえるが、一方で最近では、インタビューやテレビの情報番組などで見せるちょっと変わった発言も話題だ。
例えば、こんな具合だ。
自分の好きなところを聞かれて、「眼球がキレイ」とポツリ。恋をすると追う?追われる?には「追われるのも追うのもめんどくさそうだから、後をつけたほうが面白そうですよね」。
日々欠かさずやっていることは?には「鏡を見て、その中の自分と話す」など。最近では、成人を迎えたらしたいことを聞かれ、「朝帰り」と発言し、周囲をドッキリさせてもいる
「演技と実際のキャラクターのギャップという点では、大竹しのぶさんを思い起こさせますね。今後は、二階堂さんのこうした不思議キャラを生かした役柄もできると思いますし、一方で殺人犯など狂気を感じさせる役なら怖さがグッと増すでしょう。幅広い役を演じられる女優としての資質はあると思います。役柄によっては、今後、女優として大化けする可能性は充分あります」(前出・松原さん)
次回作ではどんな一面を見せてくれるのか、いまから目が離せない。