「震災婚」あるいは「震災離婚」という言葉が生まれたように、昨年の東日本大震災後、身近な人間関係が見直されている。人とつながるツールとして、mixiやFacebook、TwitterなどSNSも急速な広がりを見せているが、やはりメールも、欠かせないコミュニケーション手段のひとつだ。
いまや1日2億通以上のやりとりが行われているという電子メール。折しも1月23日は「いい(E)ふみの日」にちなんだ「電子メールの日」。大切な人に、メールを使って、心の内を明かしてみてはどうだろう。メールだから素直に伝えられる“想い”があるかもしれない。
実際に送受信された心温まるメールの一例として、NTTドコモが主催する「iのあるメール大賞」の受賞作を紹介する。【】内は「件名」である。
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【恵へ】
早く帰ってくるんだぞぉ!母さんは玄関に布団敷いて寝ます
(第8回審査員賞「松本侑子賞」 小柳恵さん 20代/夜遊び中に受信したメール)
【忙しいのでメールで】
会社にお前の代わりはいくらでもいるが、私の息子はお前しかいない。自分を大事にすることだけは忘れないように。仕事がんばってください
(第6回NTTドコモ東北賞 鈴木淳詞さん)
【無題】
友輔元気にしてるか? 友輔のこえきかないと 詐欺にだまされちやうよ。たまには電話しておいで おばあちゃん待ってるから
(第9回準グランプリ 中谷友輔さん 20代)
【お袋、元気か?】
お袋、白内障の手術成功して良かったなあ。もうメガネ無しでも大文字メールが読めるだろ?早速だけどリンゴ送って下さいハハハッ…。
(第9回入賞 小岩伸悦さん 50代)
【ごめんなさい】
さっきはごめんなさい。帰るとこがそこしかないので帰ってもいいですか?
(第6回準グランプリ 柳下美由紀さん 30代/夫婦ゲンカをし、家を飛び出した夫から、30分もたたないうちに来たメール)
【無題】
ゆみちゃん、今日仕事の後、会える時間ある? 結構限界。
(第9回入賞 川口有美さん 20代/付き合って1週間の彼から送られてきたメール)
NTTドコモの発表によると、過去の受賞作557作品の中で最も多いのは、9年連続で「親子」間のメール。わずか数行のメールが、親子をつなぐ懸け橋となっていることがわかる。続いて順に「夫婦」「友人」「恋人」。漢字能力検定協会が毎年発表する「今年の漢字」に沿った内容が見られるものの、2011年に限らず「絆」を感じさせる作品が多いのは、親しい人とのコミュニケーションツールとして、メールが浸透しているということだろう。
内容で受賞作を分類すると、「家を離れた子どもを心配し、エール送る」メールが20作品で1位。その他「社会に出て思い悩む子どもを励ます」メール(13作品)、「生まれてきてくれた子どもへの感謝」のメール(6作品)。いつの時代も変わらぬ親の強い愛情がメールに溢れ、それを子が確かに受け取っている。
なお、2月14日には、第10回目となる「iのあるメール大賞」が発表される。