国内

橋下市長 君が代起立は思想信条の自由ではなく組織論の問題

大阪市の橋下徹市長がこれまで批判してきた市の職員をどのように扱うかに注目が集まっている。

公務員改革に精通する木下敏之氏(前佐賀市長)が指摘する。

「自治体の長に面従腹背する職員がいるのは当然です。要は職務命令に従うのか否かを見極めれば、自ずと化けの皮は剥がれる。橋下氏はブレーンに高名な人事コンサルタントの山中俊之氏を迎え、成果に基づく人材作りを進めている。

口先で丸めこむだけでは通用しなくなる。橋下氏は“役人は敵”という原理主義者ではない。自分のことを好きでも嫌いでも構わないが、自分の政策を実現できる働く役人が良い役人と考えるプラグマティスト(実用主義者)なのでしょう」

1月16日に最高裁判決が出た「君が代不起立訴訟」では、「重い処分は慎重に考慮すべき」という判断が示された。教職員組合は「これで橋下氏の教育基本条例は潰れる」と意気上がるが、どうも橋下氏はあまり意に介していないようだ。橋下氏は共著書『体制維新―大阪都』(文春新書)で、こう記している。

〈君が代斉唱時に起立すべきか否かという思想信条の自由に関する問題ではなく、組織として決めたことは守りましょうという組織論〉

と考える。君が代を歌うかどうか、起立するかどうかではなく、職務命令を守れるかどうかで公務員の在り方を論じている。最高裁判決を受けて、「しっかり研究する」と述べたのも、教員の職務命令遵守を実現するための方策を練り直すための発言だろう。

※週刊ポスト2012年2月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン