スポーツ

川崎宗則海外移籍でSB後釜ショートに今宮健太の名前が挙がる

今シーズンオフも、ダルビッシュ、岩隈、川崎らが日本球界から大リーグに移籍。このままでは日本球界は衰退してしまうのか? 答えはNOだ。いつの時代でも、新たな才能は現れる。“流しのブルペンキャッチャー”として知られるスポーツジャーナリストの安倍昌彦氏は、シアトル・マリナーズに移籍した不動のショート・川崎宗則の穴を埋める存在として、ドラフト1位で入団した3年目・今宮健太の名前を挙げる

* * *
川崎宗則が君臨していた「遊撃手」のレギュラーポジションは、今季3年目の今宮健太が奪う。大分・明豊高からドラフト1位入団。川崎と同様、彼も「九州男児」である。高校時は投手として活躍し、甲子園でも小柄な体で150kmに及ぶ速球で奮投。当時の活躍を覚えておられる向きも少なくないだろう。171cm67kg。小さい。確かに、体は小さいが、コイツはエネルギーの塊だ。

今宮の高校3年の6月、『流しのブルペンキャッチャー』の取材で、彼の全力投球を受けている。明豊高のアップはすごい。両手に持った2本のバットを頭上高くかかげて、選手全員がグラウンドを走る。5周、6周…結局10周。アップで20人ほどがもう倒れる。やってごらんなさい。「ウチの練習、アップが一番辛い」と泣き入れていた彼の気持ちがわかるから。

すぐにノックをさんざん受けて、およそ1時間。息も絶え絶えにブルペンにやって来た彼は、「ちょっと休む?」と訊いても、「平気です!」と、ハアハア言いながら、目測145km前後の速球をたて続けに40球投げて、「バッティング行ってきます!」とグラウンドに駆け戻っていった。

快足、強肩は偉大な「先代」になんらヒケをとらない。昨季はファームで打率.287。67試合で26盗塁の走塁能力には、さらに大きな将来性が見える。蛇足を承知でいえば、今宮健太、「先代」以上の精悍なイケメンとお伝えしておこう。

今宮は一軍での実績は皆無だが、岩嵜、山田の若い高卒投手たちを、一軍の実戦の中で鍛え上げ、投の主軸に育ててきたチームだけに、その育成マニュアルは信用できる。そして、秋山監督自身が「未完の大器」としてプロ入り、高校時の投手から野手に転向する中で、彼らと同じように、実戦で成長していった選手だっただけに、期待はさらに膨らむ。

※週刊ポスト2012年2月3日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン