日本球界屈指の巧打者、前ヤクルト・青木宣親の移籍先がミルウォーキー・ブルワーズに決定した。ヤクルトは、青木という大きな穴を埋めることができるのか? スポーツジャーナリストの安倍昌彦氏は、イースタンの盗塁王・上田剛史を、青木後任の一番手として挙げる。
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ミルウォーキー・ブルワーズに決まった青木宣親(ヤクルト)は大丈夫だろうか。1、2番タイプの俊足の左打者、中南米出身の中に叩いても死なないような屈強なのがマイナーにわんさといると聞いている。同じ早大野球部の出身であるし、1人のファンとしてもその行く末を期待もし、案じてもいる。
さっと手を打ったヤクルト。ホワイトソックス3Aのラスティングス・ミレッジ外野手を獲得したが、外国人はやらせてみないとわからない。彼らが親しんできた「ベースボール」と「野球」とは異なった競技だからだ。ヤクルト6年目、昨季のイースタンで55盗塁、ダントツでタイトルを手にした上田剛史外野手。キミの出番だ。
シーズン終盤には、一軍でも1つも刺されず6盗塁。この俊足を飛ばしての広い守備範囲に、しなやかなスローイングで相手走者の進塁意欲を削ぐ強肩の持ち主。バッティングではバットを振り抜いて広角に打ち分ける「本格派アベレージヒッター」だ。
この手の打者は、スピードに慣れるにつれて高い確率で「結果」を出す。誰よりも、先代・青木宣親がそうだった。岡山・関西高当時はセンバツの甲子園で、早稲田実業・斎藤佑樹投手からバックスクリーンへ放り込んでいることも言い添えておきたい。
※週刊ポスト2012年2月3日号