シニアの友達作りや生き方探しを支援するコミュニティー・サイト「シニア・ナビ」は、現在60代を中心に1万人の会員を抱える。男女比は7:3で、ユーザーは自分のブログを公開し、気にいったブログやコメントがあればメールを出すなどして交流する。オフ会も年に2回ほど行われている。
「シニア・ナビ」のオフ会に出席したYさん(62才・女性)は11年前にシニア・ナビに参加した。当時、姑と夫を相次いで亡くし、引きこもっていた。ネットには興味があり、娘の「やる前からあきらめないで」という言葉に後押しされ、メル友を求めて入会した。
「すでにブログやメールを通じて気心が知れているので、初めて会ったときも幼馴染に会ったようで、すぐに打ち解けられました。近くにいる友人とは違って姿が見えないぶん、相手のことを気遣いつつ聞き流すこともできるし、何かあればお互いに支え合える一生の宝です。ネットでつながったことでひとり歩きに自信が持てるようになりました」(Yさん)
書き込みがない仲間がいると「どうしたのかな」と思う。Yさん自身、万が一のことがあったときは、ブログで仲間に報告するように娘に頼んでいるという。「シニア・ナビ」事務局長の田嶋美登里さんはネットには大きな可能性があるという。
「高齢者は引きこもりになりがちで、新しい広がりができにくい。60代はともかく、80代になると外出の機会も少なくなりがちです。でも、ネットを使いこなせれば関係は広がる。実際、シニア・ナビで出会って結婚したシニアカップルもいます。高齢者の孤独を防ぐためのネット活用は今後、ますます不可欠になるでしょうね」
※女性セブン2012年2月9日号