「ゆるキャラ」といえば、それぞれの風貌や独特の話のテンポを持つ「ゆるさ」がウリで、「ゆるキャラグランプリ」も大盛況。同グランプリを開催したゆるキャラさみっと情報局 によると、そのイベントの経済効果だけでも25億円といい、大ブレイクした「ひこにゃん」は、登場した年の経済効果は滋賀大学の試算で174億円 にものぼったとか。
一方、「企業キャラクター」も昔からあるジャンルだ。RJC が昨年6月におこなった「PRキャラクター・ブランド調査2011」では「PR認知力」「イメージインパクト」「イメージアップ力」「イメ-ジ波及力」という4つのイメージ因子からなる7項目で、「総合力」を調査。全国企業・300のキャラクターのなかから、1位は「お父さん犬」(ソフトバンク)、2位は「ASIMO」(本田技研工業)、3位「ペコちゃん」(不二家)だったという。
その他上位には「キョロちゃん」(7位)「キユーピー」(9位)など、おなじみの顔ぶれが並ぶが、20位までのなかには「ひこにゃん」(12位)「地デジ化」(18位)といった「ゆるい企業キャラ」も。集められた300もの企業キャラクターリストをみてみると、愛らしさ、親しみやすさなどはもちろん、郷土愛・企業愛を積極的に発信する「ゆるキャラ」スペック(?)をもつものが増えてきているのがわかる。
たとえば、J:COMの「ざっくぅ」。 もともと関西を中心に展開していたサービス「ZAQ」のイメージキャラクターである「ざっくぅ」は大阪では認知度97%を誇り、保育園・小学校などでキャラクターを使った「ざっくぅ体操」を行うなど、地域に根ざした活動も精力的だ。同社のプロモーション本部本部長・櫻井氏によると、サービスの全国展開で、ZAQの認知は関西以外のエリアでも20% から70%へと上昇。しかし櫻井氏は「まだまだ。バリバリ働いてもらわないと」と意気込む。
ゆるキャラの定義の一つには「地域おこし」があるが、ベネッセコーポレーションのキャラクター「しまじろう」も被災地に行き、子どもたちと触れ合うなどしてニュースになった。そもそもは認知効果、販売効果、イメージアップ効果などを見こまれてつくられる企業キャラクターだが、現代は消費者にとっては「癒し」「やすらぎ」、「元気」の素にもなっているようだ。