芸能

武井咲ほかすっぴん公開タレント急増中の理由を心理学者解説

 “すっぴん公開タレント”が急増している。最近だけでも、資生堂のCMイベントでは武井咲(18)が、バラエティー番組では叶姉妹、TBSの田中みな実アナ(25)が、ブログではきゃりーぱみゅぱみゅ(18)、雛形あきこ(34)らが続々とすっぴんを公開しているのだ。シミもシワもきっちりメイクで隠してスポットライトを浴びるのが女性タレントの“テッパン”のはず。なぜ、すっぴんを公開する人が増えているのか? その心理について、駒沢女子大学教授で心理学者の富田隆さんが分析した。

 * * *
 ひとことでいうと、裸になりたがる露出を好む心理とサービス精神が背景にあると思います。このふたつがかなり強くなった場合、こういう行動に出る。キーワードは“ペルソナ”です。精神科医で心理学者のユングは、人格の外側、社会と接触している部分をペルソナ=社会的仮面と呼んでいます。役割期待ともいいますが、我々は職場や家庭など色々な役割を同時に持ち、それぞれの役割に応じて仮面を被り、話し方や立ち居振る舞いなどを全て変えるわけです。

 女性の場合、化粧などで見せ方を自分で好きなようにできる部分もあって、「社会で私はこう見られたい」という自己主張の部分と社会的な役割期待、このふたつが掛け合わさってペルソナができます。問題は、ペルソナと自我の区別が分からなくなってしまうケースです。それが、今回のすっぴんを公開する女性タレントの心理にあるのではないかと考えられます。いつのまにかペルソナが自我だと思いこんでいる状態、つまり、心理的には、化粧を落としたすっぴんの姿を、化粧した姿と同じ自分だと思い込んでいるわけです。

 服装や化粧はすべてペルソナの一部です。口紅だけでも社会的仮面を被ることになるので、化粧のもっている意味は大きく、心理学的には、化粧を完全に落としてしまうのは、裸になるのと同じことです。多くの場合、すっぴんは恋人や夫の前でしか出さないものなので、公の場で服を脱ぐのと同じことになります。

 また、サービス精神という面では、人前で表現する職業である芸能人は、もともとサービス精神が旺盛で、露出狂的になりやすい面を持っているといえます。ペルソナは周りからの期待によって半分作られています。この期待によって作り上げられたものを、本当の自分だと思い込んで区別がつかなくなっているのは、芸能人としてのペルソナに自我が乗っ取られている状態です。

 化粧ぐらい落としても、それが同じ自分だと思ってしまう。メディアも含めて作り上げられた“女優の○○さん像”みたいなものに過剰なサービス精神で応えてしまい、それを公私問わず演じてしまっている。そうでなければすっぴんをさらしたり、さらしたすっぴんを「キレイ」といわれて喜ぶことはあり得ないはずです。

 すっぴんを公開する人が増えていることには、ちょっと危なさを感じます。ペルソナを全部とっぱらって好きなように行動したい、社会的立場のない赤ん坊のような自分になりたい、という願望は誰しもありますが、それが強くなり、さらに他者に見せたいとなるとある意味では露出狂と同じになってしまうのです。

関連記事

トピックス

ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン