テキサス・レンジャーズに入団したダルビッシュ有(25)は、メジャーリーグでどれくらい活躍できるのか。そんな日米野球ファンの関心に対し、米国ESPNが具体的な予測を示して話題になっている。
統計学を用いて野球選手の能力を分析する「セイバーメトリクス」で、今後5年間の成績を試算。それによると、今季は「13勝7敗、防御率3.62、与四球46、169奪三振」。その後の4年間もほぼ同様の成績を残すと弾き出している。昨季のダルの成績は「18勝6敗、防御率1.44、与四球36、276奪三振」。
やや過小評価のようにも思えるが、WAR(1シーズンで控え投手に比べてどれくらい勝利数を上積みできたかの指標)は4.5と予測。1年目の野茂英雄の4.9には及ばないが、松坂大輔が3.2だったことを考えれば合格点といえそうだ。
もっとも、勝敗は味方打線次第のところもある。注目すべき点は防御率と奪三振の著しい低下だという。
「防御率は、レンジャーズの本拠地が打者有利であることが関係している。『レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン』は右翼がせり出していて、昨年のパークファクター(その球場が打者と投手どちらに有利かを示す指標。1以上は打者有利)が1.409で30球団中1位だった。ダルも入団会見の際に“球場を広くして”とGMに泣きついていたほどです。
奪三振については、MLBのボールとの相性が心配されている。日本が昨季から統一球を導入したとはいえ、縫い目、大きさ、革の質感などはMLBの使用球とは違う。変化球主体で組み立てるダルビッシュは苦労するのではないかと考えられています」(在米スポーツジャーナリスト)
※週刊ポスト2012年2月10日号