国会が始まったばかりなのに、早くも解散風が吹き荒れている。総選挙が行なわれればどうなるのか。政治ジャーナリスト、野上忠興氏と本誌取材班が行なった本誌1月13・20日号のシミュレーションでは、橋下徹・大阪市長率いる大阪維新の会と、河村たかし・名古屋市長の減税日本が台風の目になる可能性を指摘した。さらにみんなの党と組んだ場合、果たしてどこまで勢力を伸ばせるのか。野上氏が仮説として示した「政権奪取シナリオ」は以下のようなものだ。
●大都市のドミノ現象
維新の地盤である関西、減税日本の愛知などは、圧倒的に強い現職がいたとしても全選挙区に擁立することが基本。それ以外の大都市圏でも現職に真っ向勝負を挑むことが必須条件。
特に議席の多い首都圏でどこまで伸ばすかが重要。東京は維新だけで2ケタ見込める。菅直人の18区、小宮山洋子の6区、手塚仁雄の5区などは政権批判が吹き荒れる。18~25区の三多摩地区も激変する。
埼玉では5区の枝野幸男、11区の小泉龍司が強いが、それ以外は勝算がある。2ケタまで伸びるか。
千葉、神奈川はみんなの党が重点区にしている。維新も千葉で5議席ほど獲得できる可能性がある。
関西では、京都で混戦の1区、兵庫の3~5区、10区、12区などで維新が勝つ可能性がある。かつて民主党が得意とした各県の1区(県庁所在地)も維新の会などの〈第3の政権〉に強い追い風が吹くことになる。
●被災地の不満
大震災の復興が課題となる地域でも、民主党政権への不満が高まっている。宮城は1区、3区、4区、6区に可能性あり。安住淳の5区は、それでも強いか。福島2区、5区、茨城1区、2区、4区、7区が狙い目。
●地域政党との連携
松山維新の会が勢力を伸ばしている愛媛や、橋下氏との連携を公言する原口一博・元総務相の佐賀などで地域政党・勢力と連携できれば議席を上積み。マニフェスト無視に抵抗して民主を離党した勢力との連携も視野に入る。
※週刊ポスト2012年2月10日号