バランスのとれた食生活ではないし、運動量にも自信はない。健康診断の結果はいつも問題あり…。そんな中年諸氏に、うってつけの注目食材があるという。果たしてその根拠は?
特に寒い今年の冬は、脳卒中や心筋梗塞で倒れる人が急増! と、深刻な社会問題になっている。その原因のひとつは血液のドロドロ化。食生活の悪化や運動不足などにより、血液中に増加した糖や脂肪、悪玉コレステロールなどが赤血球にくっつくことから起こる。
また、ストレスや喫煙などによって増えた活性酸素は大事な血管を傷つけ、傷ついた血管を修復しようと血液中の血小板が増加、それがドロドロの血液中でダマになってしまい血栓を作る、その血栓が脳で詰まれば脳卒中、心臓で詰まれば心筋梗塞という重篤な病に発展しやすくなるわけだ。丈夫な血管とサラサラ血液は、若さと健康のバロメーターといわれている。
約10年前、生の梅を煮詰める過程で“ムメフラール”という新成分が発見され話題となった。これは、体内に発生した活性酸素を強力に除去する抗酸化作用を持つスグレ物。自然食品、健康食品アドバイザーとしてテレビなどでも活躍中の薬剤師・小林ちえみ先生は、硬くなった血液とドロドロ血液の危険性をこう指摘する。
「血液中の赤血球は薄い円盤状の形で、毛細血管よりも大きいのです。それが折りたたまって血液内を通っているのですが、赤血球の膜が酸化して硬くなってしまうと毛細血管内をスムーズに通ることができなくなり、血管を傷つけてしまいます。
そしてまた、血液中の細胞成分である血小板は、血管壁が傷ついたり血中の脂質が増えすぎたりすると、“血小板凝集”という性質があるため互いにくっつきあってダマができ、血栓になりやすい。要はいかに血液をサラサラに保つかが重要なポイントといえます。
そこで最近評価を高めているのが、梅に加熱することで生じる“ムメフラール”なのです。これは、赤血球の表面が酸化して硬くなるのを防ぎ、血小板の凝集を抑え、血液中の悪玉コレステロールを排出する作用があるのです。
更に、このムメフラールと一緒に摂ると良いと言われているのが玉ねぎとウコン。玉ねぎに含まれている硫化アリルと“ケルセチン”、玉ねぎは血液をサラサラにすると有名な食材ですよね。それと、二日酔いや肝臓に良いと人気のサプリ、ウコン。このウコンには注目すべき“クルクミン”という成分が含まれていて、肝臓の働きを助けるのです。肝臓はアルコールの分解や、体内で発生する有毒物質を解毒する大切な臓器。
今、話題になっているのは、この3つの食材で出来ているサプリメント。その3つをあわせ摂ることによる相乗効果が注目を集めているのです」
アメリカの国立癌研究所でも、ウコン、玉ねぎはもちろん、梅からできたムメフラールも癌予防のために積極的に食べるとよい食材として指定されたという。
※週刊ポスト2012年2月10日号