小沢一郎・民主党元代表について“不正蓄財”だ、“闇献金”だと騒いだ大メディアは証拠も根拠も示せず、ようやく引っ張り出した裁判では、検察側の捜査資料捏造が明らかになった。
小沢氏が記者クラブ、官僚、族議員に総スカンを食っているのは20年前から変わらぬ永田町の風景だが、これまで“怪しい”“何かある”という以上の醜聞が出なかったことも驚きである。
「小沢を消せ」と気色ばむ勢力は、今度はプライベートに狙いを定めたようだ。
今回、本誌は和子夫人を知る後援会関係者らを取材して噂の真偽を確認するなかで、「小沢夫妻の危機」に通じる話も耳にした。それは、小沢憎しの元秘書らが流す情報とは少し違っていたが、「さもありなん」と思える話もあった。
例えば、前出の後援会関係者はこう語る。
「かつて和子さんは、代議士に代わって毎週のように岩手の地元に帰って後援会を盛り上げてきた。東京に戻る和子さんを、代議士がこっそり東京駅まで迎えに行くのが限られた“逢瀬”だった時代も長かった。
しかし、ここ数年、和子さんの地元入りはめっきり少なくなった。ご本人の体調もあるようだが、ここまで夫が天下の大悪党のようにいわれ、ついには自分が親から受け継いだ財産までバッシングの対象にされて、ほとほと疲れ果ててしまったのではないか」
和子夫人は福田組4代目社長の娘で、父から会社の株やいくつもの不動産を相続した。小沢氏の政治資金問題で、それが「不正蓄財」とか「家族名義にして財産を隠した」などと疑惑視されたことも事実だ。
皮肉にも、別の意味で「福田組の遺産」が小沢夫妻の関係に暗雲を広げたのではないかという説もある。
「2003年に福田組社長だった和子さんの実弟が急逝した。会社は一時、窮地に陥ったが、小沢先生は助け舟を出そうとしなかった。妻の実家である福田組を助けたとなれば、格好のバッシングの材料にされるから仕方なかったが、和子さんにしてみれば無念だっただろう」(地元政界関係者)
離婚説はともかく、小沢夫婦の間に周囲を心配させる不安が生じていたことは事実のようだ。
※週刊ポスト2012年2月10日号