韓国の性風俗は、1988年のソウルオリンピックで摘発の嵐を体験したものの、その後は順調に復活していた。ところが、2004年9月に「性売買特別法」が施行され、厳しく取り締まられるようになった。
同法では「性交類似行為」や「売春関連の広告」に加え、売春した女性が雇用主を告発したり、買春した側も罰せられたりする点が画期的とされた。
韓国のネット界では、ソウルの“美人床屋”摘発の際に、下半身丸出しの男性が「何もしてない!」と日本語で叫んでいる映像が流れ、話題になったという。
韓国風俗に詳しい飲食業者はいう。
「昨年4月14日と15日に、ソウルの売春婦たち200人が“性売買特別法”廃止を訴えるデモを敢行しました。同時に“集娼村”(性風俗店密集地帯)の閉鎖や集中取り締まりにも反対しています。デモ中に素っ裸になる娼婦もいて、その意味でも大きな話題となりました」
集娼村として有名な、ソウルの永登浦では大規模な取り締まりが行なわれ、42店舗のうち11店が休業に追い込まれたという。
一時低調だった東京の赤坂や大阪ミナミの韓国パブ、クラブ、韓国エステなどが、ここ数年で再び繁盛してきているのも「性売買特別法」と無関係ではない。
「食い詰めた女性が大挙して日本や香港、アメリカへ流れていったんです。それを専門家は“風船効果”と呼んでいます」
※週刊ポスト2012年2月10日号