芸能

高島礼子 パーキンソン病の父を8年間介護、その思いを語る

 女優・高島礼子(47)といえば、姉御肌でカラッとした性格とのイメージがあるが、人知れず苦悩の日々を送っていた。パーキンソン病に侵された86才の父を、この8年間さまざまな思いのなかで介護してきたのだ。高島が、これまで語ることのなかった胸の内を明かしてくれた──

「父はいま車いすで、もう自力で歩くことはできません。要介護認定の階級でいうと、4と5を行ったり来たりという状態ですね。寝たきりにさせないことを目指していて、家ではなるべく体を起こしてもらうようにヘルパーさんたちにはお願いしているんです」

 私立大学で教鞭をとっていたという高島の父親。厳格な性格で、娘に対して口うるさくいうこともしばしばで、高島が学生のころは反発したこともあったという。母親は高島が20才のときに他界しており、高島が1999年2月に俳優・高知東生(47)と結婚してからは、父親は神奈川県内の実家でひとり暮らしをしていた。その父が倒れたのは、いまから8年前のことだった。

「2004年に放送された『異議あり!女弁護士大岡法江』(テレビ朝日系)で主演を務めていたときでした。たまたま姉が実家に帰ったときに、『お父さんが何か変なことをいう』っていい出して。みんなは『ボケたんじゃない?』なんて笑っていたんですけど、姉は断固として、『ボケじゃない! 絶対に変だ! 病気だ!』といい張るんです。

 そこまで姉がいうんならと思って、私が友人の病院に車で連れて行ったんです。その途中で、父が高速道路を見て、『あっ、動物園だ』っていったんですよ。その瞬間に私もおかしいと思って…。きっと父には幻影が見えていたんだと思います。

 病院でCT検査をしてもらったら、パーキンソン病だということがわかったんです。先生によれば、父はパーキンソン病患者特有のヨチヨチ歩きをしていたそうです。そのとき、脳に硬膜下血腫も見つかって。それも影響して幻覚が見えていたみたいで、手術が必要ということになったんです」(高島)

 パーキンソン病とは、中脳の黒質でドーパミンが作れなくなるという原因不明の病気で、難病にも指定されている。にわファミリークリニック・丹羽潔院長は、「症状はいろいろありますが、手足が硬くなったり、震えたり、動きが非常に緩慢になります」と説明する。

「硬膜下血腫の手術は1時間程度で終わったんですけど、そこからパーキンソン病との闘いが始まりました。当初は24時間介護体制が整った病院での生活でしたが、このときは、幻聴、幻影が続いて、本当にこのまま死んでしまうかもと思いました。

 状態が最も悪かったときには、私たちが病院に行っても、『あんた、誰だ?』って認識してくれないんです…。それで病院の面会時間の3時間をフルに使って、いろいろと話しかけて思い出してもらうようにしました。帰るころには、私たちを認識してくれて、『じゃあね!』なんていって別れるんですけど、翌日、再び病院を訪れると、また『あんた、誰?』と振り出しに戻ってしまうという日々が続きました」(高島)

※女性セブン2012年2月16日号

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン