中学受験もいよいよ佳境。難関校合格には1日に10時間の勉強も当たり前と言われるが、一方では、そうした難関校を涼しい顔で突破してしまう子供もいる。異次元の能力を持つ超天才児の生態を追った。
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幼稚園の時に漢字で駅名のカードを作り、日本地図の形にJRの主要路線図を完成させてしまったのはA君。「電車が好きで、山手線の駅名を覚えた」「新幹線の名前が全部いえる」なんていう子供は珍しくないが、こうなるとやっぱりレベルが違う。A君は算数も得意で、後に筑駒から東大に進学している。ちなみに母親は、駅名が書き込まれた携帯電話ほどの大きさのカードを、いまも宝物として保管しているそうだ。
確かに子供は好きなことに熱中すると、大人を驚かせるような能力を見せるものだ。有名中学に通う子供の父親たちからは、
「小1の時に参列した親類の法事で配られた般若心経の冊子に興味を持って、すぐに音読できるようになった。読めるようになると、その意味を大人に聞いて回っていたので驚いた」
「小学生の頃から既存のゲームでは満足できず、自分で迷路を作っていた。大人でも解けないような難題だった」
といったわが子の“熱中”エピソードが聞かれた。
もちろん天才が育つためには、家庭環境の影響も非常に大きい。B君の両親は共に医師で、家庭の食卓でも医学用語が飛び交っていたという。その影響だろう、
「Bが5歳の時に『膀胱の上がシクシク痛い』といったのにはびっくりしました。その年頃には人体の仕組みや、臓器の位置はほとんど理解していましたね」(父親)
家の本棚が、天才を開花させることもある。
「C君は幼稚園に入る頃から、マンガや洋書の絵本を次々に読んで、わからない文字や言葉があると親に聞いていた。年中の頃にはゲームが好きで、ゲーム攻略本で漢字やカタカナを覚え、小学校高学年が読むような本も読んでいた。パソコン操作も親顔負けだった。国立大の医学部を出て、今は医師になっています」(幼児教育研究家・わだことみ氏)
最近では英語の早期教育を施す親も少なくない。スタートラインは同じでも、一歩目からして大差をつけてしまう子供もいる。
「私は小5で英検準1級に合格した子を知っています。その子は海外で暮らした経験もなく、親が帰国子女なわけでもありませんでした」
と再びわだ氏。その子は後にハーバード大学に合格したそうだ。
しかし、上には上がいるもので、2010年に英検1級に合格した小学生は24人。うち最年少は9歳というから驚きである。
※週刊ポスト2012年2月10日号