ある程度高齢になったら有料老人ホームへの入居を考えている人も多いだろう。
ホームの終身利用権を得るために、契約時に数十万円から数千万円の「入居一時金」がかかり、入居後は毎月、管理費、食費、光熱費などを含む「月額利用料」を支払うケースがほとんど。有料老人ホームに入るためには、どうような資金手当をしているのだろうか。様々な調査の結果をQ&Aで紹介しよう。
Q:入居一時金の平均額は?
A:有料老人ホームへの入居を考えている高齢者への調査では、平均予算額は1人入居で約1532万円、2人入居で約2310万円となっている。
Q:入居一時金の原資は?
A:実際にホームに入居している高齢者への調査では、「預貯金」が67%と最も多く、次いで「自宅の売却」の33%、「退職金」の10%となっている。
Q:毎月の生活費の平均額は?
A:ホームへの入居を考えている高齢者の場合、平均予算額は1人入居で約18万円、2人入居で約29万円となっている。
Q:月額利用料の原資は?
A:実際にホームに入居している高齢者の場合、「年金」が86%と最も多く、次いで「預貯金」の32%となっている。
Q:自宅を売らず、貸さずに入居費用を賄う方法もある?
A:自宅を担保に公的機関や銀行から資金を融資してもらうリバースモーゲージ(不動産担保ローン)が利用可能。死亡後に自宅を売却してローンを返済する仕組み。利用には「自己名義の一戸建てに住んでいる」、「ローンの契約者が55歳以上、80歳以下」、「年収が120万円以上」、「自立生活が可能」などの条件がある。月額利用料に充てる場合、長生きして借入金がローンの限度額を超えると融資が止まることもある。
※質問の回答は、以下の専門家のアドバイスと資料をもとに、本誌が作成した。●専門家 全国有料老人ホーム協会の和田四郎・理事長/高齢者住宅情報センターの米沢なな子・センター長/日本有料老人ホーム紹介センターの武谷美奈子・チーフアドバイザー/税理士の関本秀治氏/有料老人ホーム情報館 ●資料 『多様化する有料老人ホームに関する実態調査報告及び利用者等に関する調査報告』(平成22年3月・全国有料老人ホーム協会)
※週刊ポスト2012年2月10日号