3.11東日本大震災から早くも11か月が経過しようとしている。宮城県石巻市出身のコラムニスト・木村和久さんが、縁のある人々の安否を自身の足で尋ねながら、震災直後から現在の状況までをレポート。今回は震災後、人気になったとあるスポットを訪れた。
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今回は受験シーズンになってから沢山のかたがお参りに来る、「釣石神社」のお話です。
震災の被害状況の報告も大事ですが、そろそろ復興の話題を出していかないといけません。石巻の少しでも賑やかな場所を紹介したいと思いまして、旧北上町へ車を走らせました。
釣石神社のご本尊は、大きな石です。これが見事、アンバランスなまま凄く出っ張って鎮座しているのです。先の大震災でも、ビクともせず、これは「落ちない」ということで、昨年から受験の神様として脚光を浴び出しました。はるばる遠くからお参りに来る人が後を絶たず、神社入り口の巨石には、何百何千と絵馬が奉納されて、いやはやびっくり仰天です。
肝心の石はバランスよく立っているというより、地面の横から突き出ている感じでしょうか。石の根元がどれだけ深く地中に潜っているかは謎です。案外隠れた部分がでかいのかもしれませんが、ビジュアル的には、いまにも落ちそうで迫力満点です。皆さん石の真下で恐る恐る記念写真を撮っていましたね。
周囲は神社以外何もないところで、昔から「落ちない」ことで有名でしたが、今回の震災でこれだけ有名になるとは思ってもみなかったでしょう。立派な全国区入りの名所、まさに災い転じて福となすでしょうか。実際は神社の入り口は、津波で被災していますから、そういう震災に対しての「お見舞い」も兼ねて、お参りしてみてはいかがでしょう。
※女性セブン2012年2月16日号