「難しい」「面倒くさい」「どうせそんなに得をしない」というイメージがあり、なかなか足が向かない確定申告。でも、今年は検討したほうが絶対にお得なんです。今年、最も注目したいのが、寄付金に関する確定申告だ。震災特例で、申告すれば、寄付した金額のほとんどを実質的に取り戻せるケースもあるという。
「せっかく被災地に寄付したのに、そのお金を取り戻してしまっては意味ない」と思われたかたもご安心を。
寄付したお金は、きちんと被災地に届けられている。
確定申告では、あくまで国に納めた税金の一部が返ってきたり、自分が住んでいる都道府県や市区町村に納める税金が軽減されるだけと話すのが税理士の菊池美菜さんだ。
「震災関連の寄付金のほとんどは、被災地の自治体に届けられます。いわば、寄付によって、被災地の自治体に納税しているようなもの。だから、自分が住んでいる自治体に払う税金が軽減されるのです」
震災関連に限らず、国や公益法人などへ2000円以上寄付していれば、税金が優遇されて一部が戻ってくる。
対象となるのは、前年の1月1日から12月31日までに寄付したお金の合計。
家族全員分を合計することはできない。ただし、専業主婦や子供など収入がない人が寄付した場合は、実質的にそのお金を支払った人(会社員の夫など、家族の中で収入のある人)の確定申告時に合計することが可能。
確定申告には、基本的に寄付したことを証明する領収書が必要となる。
「日本赤十字社(日赤)や中央共同募金の義援金口座へ銀行や郵便局から振り込んだ場合は、振込金受領書(半券)、ATMを利用したら明細票が残っていれば、領収書の代わりとして認められます。インターネットバンキングで寄付した人の場合、寄付金額の確認画面を印刷したものも領収書の代わりになります。街頭募金は、金額や募金したかどうかの証明ができないので、認められません」(菊池さん)
確定申告のことを知らずに、振り込みで寄付しても「半券を捨てちゃった」という人は多いはず。そんな場合にも、リカバーできる可能性がある。
寄付した団体に電話などで問い合わせ、領収書を発行してもらえないか、確認してみよう。
例えば、日赤に寄付した人の場合、銀行や郵便局から振り込んだ際の半券をなくしても、領収書を発行してもらうことは可能。(ただし、一度、領収書を受け取っている人は不可)
手順は次の通り。
1「日赤 東日本大震災義援金担当窓口」へ電話し、領収書を発行してほしいと伝える。
2「どの口座に振り込んだのか」、「振り込みをした銀行名と支店名」、「寄付金額」「入金日」といった入金情報を伝える。
領収書が送られるまでに、事務手続きの関係上、2~3か月かかることもある。今年の確定申告に間に合わなかった場合でも、来年申告すれば同じ金額が戻るので、あきらめないで。
※女性セブン2012年2月16日号