国内

消費増税は消費者をいじめ企業を優遇すると 森永卓郎氏が指摘

2月3日に創刊した『メルマガNEWSポストセブン』。ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子ら、様々な分野で活躍する著名人が、毎週書き下ろしの時事批評を寄稿しているが、創刊号では森永卓郎氏が野田政権の「消費税率アップ路線」に鋭く斬り込んでいる。ここでは、メルマガより森永氏の原稿を一部抜粋する。森永氏が指摘する消費税率アップの問題点とはいったいどこなのだろうか。


* * *

野田総理は政治生命をかけて消費税を引き上げることをあらゆる場面で表明している。高齢化にともなって社会保障費が増大する以上、そのための安定財源を確保しなければならないというのが、その理由だ。この論理には、半分近くの国民が理解を示している。


しかし、それは本当に正しいのだろうか。例えば、民主党は年金制度の抜本改革として、最低保証年金を導入すると主張している。最低保証年金の財源は、消費税だ。つまり、これまで保険料で負担をしていた社会保障の財源を税金に移すのだから、消費税率の引き上げはやむを得ない。それが、「社会保障と税の一体改革」の最大の論拠だ。


しかしそこには大きな「まやかし」がある。年金制度の大部分を占めているのは、サラリーマンが加入する厚生年金だ。その厚生年金の保険料は、年収の約16%となっている。ただし、この保険料は労使折半で負担している。つまり、労働者が年収の8%を厚生年金保険料として支払い、同額を企業も納付するという形になっているのだ。


この保険料を消費税で代替しようとすると一体何が起こるのか。答えは明らかだろう。企業の年金負担がなくなるのだ。消費税は消費者が支払うものだからだ。


このやり方は、ちょっと、ひどすぎるのではないか。高齢化にともなって年金財政が厳しくなるのは、避けられない。だから、ある程度の負担増は避けられない。ところが、企業だけが、その高齢化社会のコスト負担を逃れようとしているのだ。その構造は、法人税に復興増税を一切適用しないやり方とまったく同じだ。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン