東日本大震災から間もなく11か月。宮城県石巻市出身のコラムニスト・木村和久さんが、縁のある人々の安否を自身の足で尋ねながら、震災直後から現在の状況までをレポート。今回は、全校児童108名のうち7割が行方不明や亡くなったりした石巻市立大川小学校がいまどのような状況にあるのかを探った。
木村さんによると、石巻市の「釣石神社」のご本尊は巨大な石であり、この石が震災でも台座から落ちなかったことから「落ちない」ということで、多数の合格祈願者が参拝に訪れるのだという。レポートは木村さんが釣石神社への参拝を終えたところから。
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帰り道、北上川の大きな橋を渡ってすぐのところに、全校生徒の7割が亡くなったり、行方不明になった石巻市立大川小学校があります。車では釣石神社から10分もかからないでしょう。近いのでお参りに行きます。
海に近い釣石神社からだと、大川小学校の位置関係がはっきりわかって、これだけの津波が押し寄せたら、ほんと校舎はひとたまりもないだろうというのがよくわかります。
年末は関係者が校舎の中に、クリスマスツリーを灯してくれ、ニュースになっていました。訪ねたときは、まだ撤去されずに校舎の奥でひっそりとツリーが残っていました。
大川小学校の校門近くのモニュメントは、以前よりも立派になっています。石碑や鐘も加わりました。これは地元の人でなくても、どうぞお参りしてくださいということなんでしょう。この惨状を目の当たりにして命の尊さを、皆さん各々考えて欲しいということと理解しました。釣石神社の帰りに寄って、手を合わせてみてはいかがでしょうか。
※女性セブン2012年2月16日号