男はやっぱり決断力が大事、優柔不断なんてもってのほか。なんて思う女性は多いだろうが、現実はそんなに甘くない。東京都在住の派遣社員・Tさん(35才)の夫(40才)は、決断力のかけらもない、なんとも頼りない“あいまい夫”だ。聞いてるだけで不安になってしまいそうな、Tさんのエピソードをどうぞ。
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先日、書店へ行ったら珍しく夫が「ちょっと、ちょっと」と私の腕を引っ張るの。何かと思えば『あいまいな日本の私』って本を指さして「これ、大江健三郎ってノーベル文学賞を取ったエライ先生の本」って偉そうに。
「だから?」
「…だから大江先生だってあいまいなんだよ」
あきれて開いた口がふさがりませんでした。夫は“あいまい”なんて生やさしいものじゃありません。ふにゃふにゃ具合はコンニャクとか豆腐並みだけどそれだって一応は形がある。でも夫は形がないんです。
仕事だって小学生のときから“親分格”だった2才先輩のあとをくっついてるだけ。だから最初は不動産会社で次は建設会社に勤め、いまは親分の経営するラーメン店の店長なんです。
そんな夫とつかずはなれずで8年も交際。「結婚、どうするの?」と聞いたら「きみがしたいなら」で、それがプロポーズでした。
私が着る洋服に迷って相談すると「うーん、うーん」とさんざん唸ったあげく「どっちも似合うから、どっちでもいいんじゃない?」。
何が食べたいか聞けば「なんでも」とオウム返し。「魚か肉か」と二択にして迫ると「肉、魚、肉、魚。…うーん」といまにも泣き出しそう。
結婚3年目にとうとうブチ切れて「あなたには意見ってものがないわけ!?」と怒鳴ったんです。それ以降、私を見ると目をシバシバさせて、ますます意見をいわなくなり、上目遣いで私のご機嫌うかがいをするようになりました。
※女性セブン2012年2月23日号