日本画の歴史は長いが、昨今、女性の進出がめざましい。ここでは、注目の女流日本画家の一人として、阿由比(ほとり・ゆい)さんをインタビューした。
* * *
「これまでに何枚もの東京タワーを描いてきました。朝日を浴びた、あるいは夕暮れ時、時にヘリコプターに乗って上から見てみたりと様々な“表情”を切り取ってきた。
私にとって東京タワーは初志。18歳の春、画家になることを夢見て福岡から上京してきた日に出会って以来、今でも東京タワーを見ると『一生懸命に絵を描こう』と誓ったあの時の気持ちが甦ります。
高度経済成長期の象徴でもある東京タワーは良き時代を知る日本人にとって特別な存在だと思う。これからも私は多くの人の元気の源であるこのタワーを描き続けます」
【プロフィール】
ほとり・ゆい●1980年福岡県生まれ。2006年武蔵野美術大学卒業。2007年より毎年個展を開催している。大学時代からファッション誌などでモデルとしても活動。4月11日~27日まで東京・青山の『新生堂』にて個展を開催。
撮影■ヤナガワゴーッ
※週刊ポスト2012年2月17日号