読売新聞グループ本社会長・渡辺恒雄氏(85才)が、現在放送中のドラマ『運命の人』(TBS系)に大激怒している。
このドラマでは、本木雅弘(46才)がその密約を曝く毎朝新聞のエース記者・弓成亮太を演じ、大森南朋(39才)がそのライバルである読日新聞の記者・山部一雄を演じている。この清潔な正義記者である弓成と、ゆすりたかりの悪徳記者の山部の対立が、複雑に絡み合う人間関係とともに描かれている。
原作は山崎豊子さんの同名小説。フィクションの体裁をとっているが、登場人物が誰を指しているのか容易に推察できる、限りなくノンフィクションに近いドラマだ。それゆえ視聴者の関心も高く、平均視聴率12%を記録している。テレビ局関係者こう話す。
「山部のモデルが渡辺会長であることは周知の事実。しかし、劇中に登場する山部のエピソードが、どれも事実と異なる作り話だというんです。“あの記者はオレじゃない”とものすごい剣幕です」
渡辺会長はその怒りを、2月19日号の『サンデー毎日』の寄稿で具体的にぶちまけた。
原作執筆者に情報提供したのは、ドラマで弓成として登場する元毎日新聞記者の西山太吉氏(80才)。渡辺会長は西山氏についても「小生が悪玉にされていることを知りながら、一回もワビの電話すらない」と腹を立てるが、その裏にはこんな事実があった。
「渡辺さんは密約事件で逮捕された西山さんのために法廷で弁護したこともあったんです。本人にしたら恩を仇で返されたと思ったんでしょう」(全国紙OB記者)
当の西山氏は、「抗議するなら、山崎さんにしたらいい」、と。さらに原作について「まったく事実と反する所が山と出てくる。ナベさんが怒っている以上に私が怒っている」と話しているという。
いずれにしても大きな話題になっていることは事実のようだ。
※女性セブン2012年2月23日号