昨年9月13日、大分県日出町のスーパーの駐車場に止めた車から、江本琴音ちゃん(享年2)が行方不明になっていた事件。その5か月後の2月5日、死体遺棄容疑で逮捕されたのは、母親の江本優子容疑者(35才)だった。
優子容疑者は、フェリー会社に勤める夫と小学1年生の長男(7才)、そして琴音ちゃんの4人家族だった。自宅から車で1時間ほどの距離には、夫の父である正直さん(62才)が夫婦で暮らしていた。正直さんが琴音ちゃんが行方不明になってからの5か月間を振り返る。
「最初の1か月半は、優子ちゃんはもう、なんも家事ができんようになって。“あんまり、そげ落ち込まんで元気出せ”と励ましていたんですが…。長男は、軽い障がいがあって、小学校の送り迎えが必要なんですけど、それも優子ちゃんはできなくなって。1時間以上かけて、私が優子ちゃんの家まで行って、車で孫を送り迎えしていました」
夫は仕事のため、丸々一週間、家を空けることもあり、ふたりの子育ては、優子容疑者に一手に任されていた。琴音ちゃんも足が不自由という障がいがあったこともあり、ふたりの子育ては、決して簡単なものではなかったようだ。正直さんにはよくこんな電話がかかってきたという。
「心細いからか、優子ちゃんからしょっちゅう電話がかかってきました。“子供が熱出した”とか。息子がおらんぶん、私らが、もっと面倒を見てあげていてたら…」
献身的に子供の面倒を見ていたという優子容疑者だが、義理の両親への電話は、彼女からのSOSだったに違いない。複雑な思いを抱えて、正直さんはこう続けた。
「なんちゅうことしてくれたんや、お前!といいたいんだけど…。ひと言声をかけてくれたらよかったのに」
孫を失った悲しみ、そして、嫁を助けることができなかった後悔…さまざまな思いが正直さんのこの言葉には込められていた。
なお、優子容疑者は殺人については否認し、「自宅で死体を見つけ、気が動転して捨てた」と供述しているという。
※女性セブン2012年2月23日号