橋下徹大阪市長が唱える「大阪都構想」――その原点は、経営コンサルタントの大前研一氏がかつて立ち上げた「平成維新の会」の政策にある。大阪の統治・行政システムを1から作り直そうという壮大な橋下構想には、太いバックボーンがあるのだ。維新の会の“生みの親”である大前氏が、橋下氏と「維新」についてやり取りがあったことを明かす。
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今夏にも予想される解散総選挙や「石原新党」結成の動きを睨み、橋下徹大阪市長に注目が集まっている。だが、世の中の大多数は、まだ「橋下革命」の本質を理解していないのではないかと思う。彼は「ポピュリスト」でも「民主主義の敵」でもなく、ましてや「子ども市長」でもない。閉塞状況にある今の日本を変える突破力と構想力を持った有能な政治リーダーである。
私はこれまで何度か橋下市長と議論しているが、彼は私の著作をほぼすべて読破し、私が1989年から提唱してきた明治維新以来の統治機構の変更、すなわち霞が関を解体して中央集権から道州制に移行する「平成維新」の構想を実現したいと考えている。実は「大阪維新の会」を立ち上げる際に、彼は「維新の会」という名称を使うことについて、私に直接了承を打診してきた。その当時から平成維新の政策を実によく研究していたので、快諾したのは言うまでもない。
それゆえ私は、橋下市長を全面的に応援している。
※SAPIO2012年2月22日号