『メルマガNEWSポストセブン』では、ビートたけし、櫻井よしこ、森永卓郎、勝谷誠彦、吉田豪、山田美保子…、各界を代表する論客が毎号書き下ろしの時事批評を発信していく。現在配信中の2号では、歯に衣着せぬ物言いで人気の勝谷誠彦氏が、お馬鹿な日本政治を一刀両断してくれている。
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3万人を超す自殺者を少しでも減らそうというキャンペーンに内閣府の常識をわきまえない役人が「GKB47」と名付けた。自殺者を身近に持つ遺族や友人たちの気持ちというものをこの役人は考えないのだろうか。
役人は「ゲート・キーパー・ベーシック」の略だと言っているが、百歩譲って「ゲート・キーパー」はわかるにしても「ベーシック」とは何なのか。単にAKB48を連想させるために、無理やりとってつけた用語にほかならないではないか。
役所はハンコの世界である。どこかの頭のおかしい若僧がAKB48を連想させるネーミングを思いついたとしても、それに予算がついて発表されるまでには稟議書に無数のハンコが押されているはずだ。それを押した上司はすべてこの非常識なネーミングを容認したわけである。
彼らは等しく責任を負うべきであろう。そもそもこうした馬鹿なことが放置されないために、何人もの目を通してハンコを押させるのではないのか。
この責任をどうとるのか。会社だったらこれだけのことを仕出かしたならば、左遷は免れないだろう。総務部の掲示板に辞令が貼りだされ、社内で話題になり、そして粛然とみな襟を正すのである。
しかし今回、総務省の誰の何という役人がそもそもこんな馬鹿なことを思いついたのか、個人名が全く出てこないではないか。そして、いくらがムダになり、誰がそれを負担するのかも、一切報じられない。民間の企業でこんなことが成り立つわけがない。
従わない公務員はそれなりの責任をとるべきだ。自殺者の遺族の心を踏みにじった奴の名をまず公表せよ。