ドラマ『家政婦のミタ』の視聴率が驚異の40.0%を記録し、昨年の年間視聴率で8年ぶりに3冠王に返り咲いた日本テレビ。年明けには社員食堂を無料開放するなど、いま絶好調の同社だが、現場のスタッフにはしらけムードすら漂っているようだ。
「社食無料デーも仕事が忙しすぎて1度も行けませんでした。3冠王になってもうちらには全く関係ないと周りは皆ボヤいてますよ」とは番組制作会社に勤める3年目のAD。周知の通り、今や番組制作の大半が下請けの外部スタッフに委託されており、視聴率が好調でお祭り騒ぎしているのは局の上層部だけ。劣悪な境遇は何ら改善されていないと現場は嘆いている。
「年々番組の予算が削られ、最近は夜中に会議が始まって明け方に終わるというパターンも増えました。プロデューサーが深夜のタクシー代をケチって始発で帰らせようとしているんです。人件費カットでスタッフの数を減らされても仕事の量は変わらない。徹夜続きで風呂も入れず、ほとんど家に帰れません。労働環境はむしろ悪化しています」(同AD)。
同ADの月給を教えてもらったところ、額面で18万円、ボーナス無し。仕事で使う携帯代も支払われず自腹で月に数万円かかることもある。なかには、月給15万円にも満たない派遣スタッフもいるという。
「局が3冠王なら、僕たちは“キツイ”、“汚い”、“給料安い”、“帰れない”の『4K王』ですかね(笑)」
同ADはそう皮肉ってみせたが、自身が“臭い”ということには気づいていない様子だった。今日も休みなく放送されるテレビ番組は、彼ら制作スタッフの過酷な労働に支えられている。