正式名称――ラクトバチルスブルガリクスOLL1073R-1。
なんともややこしい名前だが、この乳酸菌のはいった『明治ヨーグルトR-1』(発売元:明治・希望小売価格126円)が、いま大きな注目を浴びている。
インフルエンザ予防に、前述した「R-1」が効果的だというのだ。
その根拠となっているのが、昨年夏に発表された、ある調査結果だ。佐賀県有田町が、町内の全小中学生約1900人に2010年9月から2011年3月までの半年間、毎日R-1乳酸菌のはいったヨーグルトを飲ませたところ、この町の子供たちのインフルエンザ感染者数が極めて少なくなった。
この摂取期間中の有田町を除く佐賀県の感染率の平均が小学生4.37%、中学生が2.57%なのに対し、有田町の感染率は小学生で0.64%、中学生は0.31%。およそ7分の1から8分の1にまで減った計算になる。
「小中学生のみの調査でしたが、高齢者でもインフルエンザを含む風邪症候群の患者が減ったという報告もあります」(北里大学北里生命科学研究所の山田陽城教授)
R-1乳酸菌は、ヨーグルトの主役のひとつであるブルガリア菌の一種で、数ある乳酸菌のなかでもEPSという多糖体を多くつくる菌として確認されている。このEPSこそがインフル予防の役割を果たしているのだという。
「EPSには、NK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させる効果があるんです。NK細胞とは、細菌やウイルスに感染した細胞をいち早く見つけて攻撃し、殺す働きをする細胞。その働きがよくなることで、免疫力を高めることにつながるんです」(前出・山田教授)
だが、「R-1」入りのヨーグルトはスーパーで品切れ状態が続いている。せんぽ東京高輪病院・辻祐一郎医師は、ヨーグルト以外でもNK細胞を活性化させる可能性があるという。
「他にも乳酸菌を含むチーズやバターといった乳製品も効き目があります。乳製品以外にも、日本茶、納豆やきのこ、特にしいたけにはもともと多糖体が含まれているので、R-1乳酸菌ほどではありませんが、インフル予防効果が期待できます」
※女性セブン2012年2月23日号