今季から横浜DeNAの監督に就任した中畑清氏が、連日スポーツ紙で大々的に取り上げられている。現役時代から「絶好調」がキャッチフレーズで、スポーツ紙記者の意図する“絵作り”に応じてくれる中畑氏が注目されるのは不思議なことではないが、ここまで「中畑推し」になる理由は他にもある。
「今はどこの新聞も、広告が入らなくて困っている状態です。中畑監督を大きく取り上げることで、今後の“見返り”があれば、との期待があるんです」(スポーツ紙のデスク)
「モバゲー」と呼ばれるソーシャルゲームに参入した2009年以来、DeNAは右肩上がりの急成長を続けてきた。2011年の第2四半期(7~9月)から営業利益が減益となったものの、依然“儲かっている”ことに変わりはない。
球団買収もこうした資金力を背景に行なわれた。テレビCMが頻繁に流されていることからもわかるように、年間200億円といわれる潤沢な宣伝広告費を武器に、広告出稿に力を入れる企業である。そこにスポーツ紙が目をつけるのはごく自然な流れである。
「この不況下で大々的に広告を打ってくれる神様のような企業の一つです。スポーツ紙にとっても大切なクライアント。1面で派手に書いてくれれば“広告を出してくれ”という話をしやすくなる」(広告代理店関係者)
ところが、横浜DeNAを取り上げるにしても、生え抜きの目玉選手・村田修一は巨人に移籍し、注目の新戦力も元巨人のラミレスくらい。必然的に中畑監督をネタを繰り反すしかない、となっているようだ。
※週刊ポスト2012年2月24日号