野田佳彦・首相は3年前の街頭演説で、血税をすする役人をシロアリと批判した。この演説はYouTubeなどでも繰り返し再生された。ただ、この国を食い荒らす害虫は公務員だけではない。国会議員や地方議員のシリアリぶりも目に余る。
なかにはシロアリ退治に乗り出す首長もいるが、いずれも血みどろの戦いだ。河村たかし・名古屋市長は、市議会に対し、定数を75から38に減らし、報酬を1600万円から800万円に半減させる提案を行なった。報酬半減は成立したが、議員定数削減は未だに実現していない。
河村市長は議員の定数と報酬の削減理由をこう述べている。
「議員の年収は手当込みで2400万円。これで年に80日間程度しか仕事をしとらん。一方で、税金を払う市民は年収300万円、400万円でも地獄の苦労をしとる」
もちろんその80日だって丸1日働いているわけではないし、議会や委員会に出てきても座っているだけという議員が大半だ。多くの地方議員は実働が年間20日ぐらいというのが相場とされている。
※週刊ポスト2012年2月24日号