“宇宙人”の面目躍如だ。鳩山由紀夫・元首相が、2月4日、地元・北海道室蘭市の後援会で「改名」をぶち上げた。 政治家としての活動名を「由紀夫→友紀夫」に変更し、戸籍も変えるかどうか検討しているという。
政治家が「看板」ともいえる名前を変更することは異例。投票用紙に間違った漢字が書かれてしまうと無効票になってしまうからだ。
本人は、「東日本大震災で絆の大切さに気づいた。絆はまさに友愛だ。名前に『友』の字を入れて理解を深めたい」と説明。そのチンプンカンプンな説明はさておき、「友愛」は確かに鳩山氏の政治信条で、首相在任時も繰り返した言葉だ。
しかし、改名という突拍子もない行動に出たことで、別の憶測を呼んでしまった。
「民主党に対する風当たりが強く、元首相でも選挙が盤石ではない。友愛を理念に掲げた祖父の鳩山一郎・元首相とその“所属団体”にあやかりたかったのではないか」(鳩山家の関係者)
所属団体とは「フリーメイソン」のことで、一郎氏はその会員だったことが知られている。首相在任中の1955年に位階を授与された際の写真が残されている。そのフリーメイソンの信条が「友愛」なのだ。
鳩山氏自身は会員なのか。事務所はこう答える。
「事実無根です。友愛はオーストリアの政治家、クーデンホーフの友愛精神が由来となっています」
クーデンホーフは汎ヨーロッパ主義を唱えて「EUの父」と呼ばれた。鳩山一郎氏は著書を翻訳している。ちなみにクーデンホーフもフリーメイソンの会員だ。
フリーメイソンの日本支部である日本グランドロッジは、「お答えできません」と回答。
※週刊ポスト2012年2月24日号