中国人観光客の定番といえば秋葉原や銀座で大量の買い物、というイメージはもはや古いようだ。静岡の『ちびまる子ちゃんランド』や、「ストリップ劇場」が人気を集めているように、旅行の内容に変化が出始めている。
こうした傾向は食べ物の好みにも現われている。
最近、中国人男性に人気なのは「中央線沿線でのラーメン食べ歩き」。1980年代に「荻窪ラーメン」が流行し、全国的なラーメンブームを巻き起こした地だ。中国と日本のラーメンは別物で、日本食の一つとして受け入れられているという。
「他には、下町でお団子を食べるのが人気ですね。上野に行ったり、谷中・根津・千駄木を“ヤネセン”と呼んで好んで足を運んだりと、かなりマニアックになってきました(笑い)」(中国人ガイド)
中国の最新事情に詳しいジャーナリストの富坂聡氏は、こう解説する。
「反日感情は依然強いものの、日本を訪れた中国人は、思ったよりも素晴らしい国という印象を受けて憧れの念を抱く人も多い。それが現在の中国で流行している一昔前の日本文化と合致するから、こうした古いモノを求めるのでしょう」
※週刊ポスト2012年2月24日号