キャンプも中盤に入り、いよいよオープン戦も始まるプロ野球。そろそろ、出版各社の選手名鑑も出揃う時期である。選手名鑑の楽しみは、単にチームの新陣容を見るだけに留まらない。ファンにとっては、選手の『趣味・特技』や『理想のタイプ』といった普段知ることのできない一面をのぞけるという喜びもあるのだ。
『2012プロ野球全選手カラー写真名鑑』(週刊ベースボール増刊2/24号)における各選手の『理想のタイプ』を探ってみよう。
坂本勇人(巨人)は『佐々木希』、菊池雄星(西武)は『石原さとみ』と現在人気の芸能人をあげている。一方、フリーアナウンサー小林麻耶との熱愛報道もあった斎藤佑樹(日本ハム)は、『キャッチャーのような人』とあえて有名人を出さない戦略を採っている。
また、各選手の『趣味・特技』を読んでみると、田中将大(楽天)『ゴルフ』、斎藤佑樹(日本ハム)『釣り』、坂本勇人(巨人)『音楽鑑賞』といたって普通のものから、おかわり君こと中村剛也(西武)の『食べ歩き』、今年で日本球界10年目となるホセ・フェルナンデス(楽天)の『日本語研究』という、選手の特徴を表わすものまで多種多様な趣味が掲載されている。
近年は、普通のことを記載する場合が多いが、かつての選手名鑑(以下、日刊スポーツグラフ版)を振り返ると、今では考えられない『特技』が書かれていた。
たとえば、現在ロッテの投手コーチを務める西本聖(元巨人)は『口でオナラの音を出す』(1984年)、現巨人監督の原辰徳は『加山雄三のものまね』(1984年)、前巨人監督の堀内恒夫は『江川イビリ』(1983年)、元巨人ヘッドコ-チの須藤豊は『超特急電卓計算』(1984年)とあまりにも具体的過ぎるのだ。
ほかにも、『草の中に入ったボールを見つけだすのがうまい』(1984年、紀藤真琴・広島)、『夫人にゴマをすること』(1983年、加藤初・巨人)、『木登り』(1984年、山本幸二・巨人) と、そこまで捻らなくていいのに……と言いたくなるような特技が目白押しだった。