起死回生を期した「貴乃花場所」がいよいよ本格的に動き出した。先の理事会で相撲協会の「大阪場所担当」となった貴乃花親方は9日に橋下徹・大阪市長と会談して3月11日に初日を迎える春場所の協力を要請。「15日間連続の満員御礼達成」の公約実現に向け、次々とPR作戦を展開している。
かつて大阪場所は1974年から2002年まで、409日連続で満員となった“ドル箱場所”。「タニマチ(角界の後援者)」の由来となった地だけに、協会や各部屋のスポンサーも数多い。だが、最近の10年間は週末でも満員御礼が出ない日があり、相撲人気凋落の象徴になっていた。加えて昨年は八百長問題で開催が中止された。
「景気が上向かない中、一度離れてしまった客を取り戻すのは難しい。顧客接待のためにマス席を買っていた企業からは、開催中止を渡りに船とばかりに“今年も買いません”といわれているほどです」(大阪の茶屋関係者)
そこで貴乃花親方は、「15日通しのマス席購入者(金額は67万8000円)には、親方自らチケットを届ける」という“営業マン戦略”から、「和装した女性はスーツ姿でお出迎え」という“ホストクラブ作戦”、さらには“吉本新喜劇の舞台出演”まで、さまざまな集客プランをブチ上げているが、
「貴乃花が土俵に上がって相撲を取るならともかく(笑い)、役力士が外国人ばかりの今の相撲に高いカネを払う気にはならない」(在阪の自営業者)
と、冷ややかな反応が大勢を占めている。
※週刊ポスト2012年2月24日号